BUTTONOFFMenuS(GIF)  JCQ's  AuDio    真空管  SPACER

今更  真空管 でもないのでしょうが 何故か 心ひかれます。
同好の諸兄には この心情はご理解頂けるでしょうが
一般の人々には 単なる懐古趣味としか写らないのでしょう。
この不可解な心情を 自己解析してみると・・・。
 
  1. 懐古趣味
    一般に前世代の通念があって 素子自体の効率が低く
    初期特性維持時間(寿命)も短く 電気的特性も現代の solid にとおく及ばない。

    新造も殆ど無いまま 後生大事につき合うほかはない。
    多少の自虐的意味も含めて 懐古趣味を認めることにしょう。
    滅びゆく者への郷愁の念は 健全で成熟した感性である。
 
  2. 可視
    数ある能動素子の中で 内部に機械的な構造体を持ち その目視が可能な素子は
    V/T の他はない。
    LSI   IC は勿論  Tr であっても pnp とか npn とかの物理的 論理的な構造は在っても
    目視可能な 機械的構造体はない。
    この構造が 精緻を極め 素材の質感と共に 究極の機能美を作り出している。
 
  3. からくりが解る
    カソードから放出された電子が プレートに収受される作用が V/T の本質である。
    放出から収受までの機械的空間に線状の電極を挿入し これに種々の電圧を印加して
    電子との相互作用を利用して 電子の流量を制御している。

    ガラス管を上下方向から覗き込むと ヒーターを包み込むようにカソード
    そのすぐ外側に信号が入るコントロールグリッド
    その外に電子加速 コントロールグリッドとプレート間の静電容量遮蔽用のスクリーングリッド
    その次が2次電子抑制用のサプレッサーグリッド 最も外にプレートと
    管内の様子が見て取れ 論理がそのまま機械的構造に置換されている。(ペントード)
 
  4. それでも不思議
    概論の理解が比較的容易で 構造の目視が可能であっても 良く解らないのが 電子
    原子 の構成要素のひとつで  原子核 のまわりを回っているというあれだ。
    負の電荷をもち 原子核の構成要素のひとつで正の電荷をもつ 陽子
    電気的にバランスしているとか・・・。

    電流は電子の移動であるらしい。
    一般に 電流は発電によって生じ 発電は導線の磁束中通過により行われる。
    ということは 導線が磁束中を通過すると
    陽子とバランスして原子核を回るという あの電子が移動を始めるのか?
    V/T ではヒーターでカソードを熱することで  熱電子 とやらをを得ているし・・・。
    金属結晶中の自由電子が正体か・・・。
 
  5. ラフでタフ
    子供のころ 近所の物知りおじさんはドライバ一本で ラジオを直せた。
    シャーシを裏返してドライバを突っ込み パチパチと火花を飛ばした。

    今になって思えば +B の印加を確認していたようだ。
    子供心に鮮やかな手並みと 不思議さが焼きついて
    +B はそこそこ来てればいい -C は + にさえならなければ大丈夫といった
    ラフなラジオ小僧が誕生した。
    小僧の無謀な扱いで 度重なる陽極赤熱にも耐え 今も現役の銘球は手元に多い。





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